回路とアンテナの技術者はこれまで別々の世界で技術を発展させてきたが，回路の高性能化が進み，ミリ波やテラヘルツ領域の集積回路ではアンテナまでもがシリコンチップに集積できる時代が到来し，回路とアンテナの境目が混沌としてきている．
このような時代の中，お互いの文化を知ることは，さらなる技術発展のために重要である．今回は，回路技術者のためのアンテナの入門講座を行う．本講演では，単にアンテナについて数式を用いて解説するのでなく，エンジニアとしての勘所についてわかりやすく解説する．
《第1部》 アンテナの放射原理と課題 （小西 善彦）
・ダイポールアンテナやスロットアンテナの基本的な考え方
・誘電体基板上のアンテナやチップアンテナの特徴や問題点
・回路や筐体に小形のアンテナを実装する場合の注意点
《第2部》 回路をアンテナにつなぐ （加屋野 博幸）
・１次元の回路（集中定数）から２次元と２.５次元（分布定数）、
３次元（電磁界）への考え方の拡張
・伝送線路（平面回路、導波管、結合線路を含めて）
・整合回路（複素共役の考え方）
・導波管モード
・パッケージ等の固有共振
・導波管と同軸、導波管とマイクロストリップ変換
（導波管給電のためのアンテナ）
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