講演者は、1975 年より2006 年まで、(株)東芝にてテレビの研究開発に携わり、その後、現職に至りました。
テレビの過去としては、高柳健次郎氏の世界で初めてのテレビジョンの成功から、テレビ放送、および1970 年代までテレビ受信機の開発の歴史を簡単に振り返ります。
テレビの現在としては、講演者が実際に経験してきた30 年間のテレビの研究開発を、現場からみた視点で語りたいと思います。具体的には、当時、夢として語られていた、4つのテレビに関する研究テーマ;@テレビ電話、A壁掛けテレビ、B絵の出るレコード、CHDTV、の4つについて、世界の人々がどのような努力を払ってその夢を実現してきたかについて紹介します。さらには、それらの研究開発の成果が、現在の我々のエレクトロニクス産業にどのような影響を与えてきたかについても正当なる評価を行い、世にあまり知られていないエピソードなども交えつつ詳細に説明いたしたいと思います。
テレビの未来については、現在の日本のテレビ産業の苦境を分析しつつ、テレビの持つ本質、特にネットとの関連、ディスプレイの発達、テレビの家庭における位置付けから、その将来像について予測してみたいと思います。
テレビは半世紀の間、家電産業の中心で有り続けてきました。その将来については会場にてぜひ皆さまと、意見交換をさせていただければと思います。 |