トップ 差分 一覧 ソース 検索 ヘルプ RSS ログイン

研究賞2015年被表彰者

委員による厳正な審査の結果、2015年の優秀研究賞・学生研究賞はそれぞれ以下のように決定しました(2016年1月13日公表)。なお、規程に基づき、優秀研究賞は共著者を含む全員、学生研究賞は筆頭著者である学生が表彰の対象となります。

優秀研究賞 (Best Paper Award)

受賞者
  • 奥村 紀之(香川高等専門学校情報工学科)・ 奥村 学(東京工業大学精密工学研究所) 
タイトル
オンラインでの振る舞いから想定される人物像の特徴
概要
本稿では,ブログやTwitterを使用している情報発信者自身の性格と,読者が想定する情報発信者の擬似的な性格の差分を抽出するためのアンケート調査を実施している.情報発信者自身の性格をNEO-FFIによる主要5因子検査によって取得し,被験者実験により擬似的な性格を同様に取得している.検証実験によりそれぞれの性格は一致しないことを確認している.また,被験者実験の自動化のため,既存の感情判断システムを用いた感情推定結果と被験者実験の結果を相関分析し,主要5因子と感情との間の関連性を調査している.
選奨理由
    • ソーシャルメディアにおける情報発信者の本来の性格と他者から認識される(見せかけの)性格の差異に着目した点が興味深い.また,多くの応用が考えられるが検証が難しい性格判定の分野において,データの収集から行い,客観的な評価を試みている点も評価できる.さらに,感情分析に一石を投じており,より丁寧な考察でさらに発展する可能性がある.研究として,先進性と有用性があり,優秀研究賞に値すると考えられる.

学生研究賞 (Best Student Paper Award)

受賞者
  • 及川拓弥(公立はこだて未来大学システム情報科学部)
タイトル

ユーザの読み書き体験に基づいた書籍探索

概要
本研究では、書籍のキーワード検索において、他人の視点を取り入れることで、利用者に有用な書籍の発見をもたらすシステムの開発を行う。利用者の読み書き体験に基づき、それぞれに異なる単語連想を行う辞書を利用者ごとに作成する。他の利用者の辞書を用いた、他者による擬似的な推薦をおこなったり、自分の辞書とのインタラクションによって検索語彙の幅を広げることで、専門性や意外性、 有用性の高い書籍の探索を可能にする。ユーザの体験の違いによる、連想単語の多様性が確認され、複数辞書を互いに協調させることにより、検索語彙の拡張や、擬似的な他者からの書籍推薦を行わせることが可能となった。
選奨理由
    • 実体験に基づいて人間の情報収集活動を活性化させようとしており,将来性を感じる.クエリ拡張の個人化は以前から行われているが,word2vecの利用や複数辞書の連携等も考察されている点も興味深い.アイデアの先進性の観点から学生研究賞に値すると考えられる.

リンク

最終更新時間:2016年01月13日 14時37分49秒