研究会の趣旨
本研究専門委員会は、ネットワーク/システムさらにその上に展開されるサービスや更にはビジネスに関する、いわゆる運用、管理、保守、制御(OAM&P)等の情報通信マネジメント(以下ICM)に関する技術開発の、より一層の進展を目指すとともに、多方面の分野の研究者相互の情報交換、交流を促進するための自由な議論の場を提供することを目的とし、当初テレコミュニケーションマネージメント(TM)研究会として、1998年4月に設立された。
また、ICM研究専門委員会は、韓国のKICS KNOMと共催で、1997年(当時は時限研究専門委員会)より、アジア・太平地域におけるICMに関する活動の活性化のため、国際シンポジウム APNOMS(Asia-Pacific Network Operations and Management Symposium)を企画、開催している。これらの活動を通じ、種々の側面、即ち、基盤技術、システム開発/構築環境、経営、顧客、市場等の各視点からの広範囲な研究課題に関して、活発な議論を行っている。
ICMへの関心は、ダウンサイジングと分散化を特徴とする情報システムやコンピュータネットワーキングの進展に伴って、ますます高まり、社会基盤を支えるものとして重要性を持ってきている。これは、巨大なネットワーク/サービスを運営する通信事業者にとどまらず、一般企業の方でも、昨今のLAN、WAN、インターネット等に象徴されるネットワーク化が企業のビジネス活動にも浸透し、それに伴い、そのようなネットワーク・システム・ビジネスの総合的/効率的なオペレーションとマネジメントが重要になってきている。この動向は、IPやブロードバンドによる情報インフラストラクチャの構築、マルチメディア化といった動向により更に加速されている。
このように、ICMは、従来のパブリック網に加えシステムを含むプライベート網にも、更に両者の統合網においてもその重要性の裾野が大きく広がりつつあり、今後もその研究開発が活発に展開されていくと考えられる。これらをサポートするため、以下の研究分野を中心に活動を行う。
担当する研究分野
情報通信マネジメントに関する以下の分野
主要研究分野 | トピックス |
---|---|
エレメント管理 ネットワーク管理 |
モバイル・無線ネットワーク, IPネットワーク, 仮想ネットワーク・SDN, アクセスネットワーク, 端末管理, M2M・IoT, ホームネットワーク, SON |
サービス管理 ビジネス管理 |
XaaS, データサービス管理, ホスティング, SNS, クラウド・データセンタ, NFV, ビジネスモデル, 法・倫理 |
管理機能 | FCAPS, SLA・QoS, イベント管理, ポリシーベース管理, 自律管理, エージェントベース管理, セキュリティ, ヒューマンインタフェース |
運用管理技術 | 運用管理モデル・プロセス, モニタリング・プロビジョニング, トラヒックエンジニアリング, DPI, 品質評価, 課金, 複雑系, オーケストレーション |
理論・運用方法論 | 制御理論, 最適化理論, 経済理論, シミュレーション, 機械学習, 実証手法, 開発方法論, オープンデータ |
関連する研究会
本研究専門委員会が対象とする研究分野に関係する研究専門委員会として、
がある。 以上の研究専門委員会は、それぞれの分野のネットワークやサービスの提供技術を中心に研究活動を行っている。これに対して本研究専門委員会は、ネットワークやサービスのオペレーションやマネジメントに関する技術について分野横断的かつ専門的、重点的に取り扱うことにより、研究活動のより一層の活性化を図る。さらにネットワークやサービスの提供、管理に関する多方面の研究者、実務者が相互に意見交換、情報提供を行う場を継続的・定期的に提供することにより、相乗効果的な技術の発展を図る。