超高速光エレクトロニクス研究会

超高速光エレクトロニクス研究会
設置の目的


 近年のインターネットや携帯電話の普及は目覚ましく、これを支える情報通信及びネットワーク技術の研究開発の重要性がますます高まっている。実際、2005年を目指した3,000万世帯が高速インターネットアクセス網に接続されるe-Japan戦略や、1家族当り50Mbpsの常時接続を可能とするユビキタス・ネットワークの構築に向けた研究開発が着々と進み、ブロードバンド加入者の数は2003年末で既に1,300万人に達しており、近いうちにペタビット級の基幹回線が必要になる事は必至である。このためには、光通信ネットワークの信号伝送速度やネットワークのノードにおける信号処理速度を大幅に高速化していかなければならない。

 このような時代における技術の基盤となるのは超高速光システム・デバイス技術であり、中でもフェムト秒領域での光・電気信号の発生と制御・処理技術、半導体等の超高速材料技術、新しい現象の測定・解析技術、極超短パルスの発生・制御技術等が次世代の基本技術として不可欠になるものと考えられる。

  本学会においてはこれまでに、超高速光エレクトロニクス時限研究専門委員会を最初として超高速光工学、超高速量子エレクトロニクス、超高速フォトニクス、フェムト秒フォトニクス、フェムト秒光エレクトロニクス、さらに超高速光エレクトロニクスと名称を変えながら時限研究専門委員会が継続的に設置され、超高速領域での研究開発においてエレクトロニクス技術のみならず理学系の物理、化学との交流も図られてきた。この結果、超高速光エレクトロニクスの重要性は広く認識されるようになったとともに、テラヘルツ電磁波の発生・応用、超高速電子素子・回路、フェムト秒パルス発生・伝送・制御技術などこれまでにない新しい技術も生まれてきている。またその間、フェムト秒領域での光と電子の制御技術の開発と産業への応用を目指した経済産業省のフェムト秒テクノロジープロジェクトが実施され、超高速モード同期レーザを始めとする光源技術、フェムト秒信号処理デバイスおよびファイバ伝送技術、超高速光計測技術など先端的な研究成果が続々と出現している。

 以上を鑑みると、新たなる超高速光デバイス・電子デバイスの開発を加速し、テラビット通信をはじめとする広く超高速光システムへの応用展開を図るために、多分野の研究者が本技術について集中的に討論する場を用意することが必須であると考えられる。よって、超高速光エレクトロニクス時限研究専門委員会を引き続いて設置・発展させることにより、次世代の超高速光エレクトロニクスに向けた研究分野をさらに開拓していくことを目指すものである。


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