委員長からの挨拶


葛西委員長写真
電子デバイス研究専門委員会 委員長(2023-2024年度)

葛西 誠也
北海道大学
量子集積エレクトロニクス研究センター
教授


ご挨拶

  
 平素より電子デバイス研究専門委員会の活動へのご理解とご支援をいただき有難うございます。
 電子デバイス研究専門委員会(以下ED研)は、電子デバイスと関連技術を扱う研究専門委員会です。その主たる活動は電子情報通信学会総合大会・ソサイエティ大会の一般セッション、シンポジウム企画、および、年7回の研究会の開催であり、これら活動を通して化合物半導体トランジスタを中心とした電子デバイスに関する先進的研究開発と人材育成を進めております。
 ED研は1964年に活動を開始してから半世紀以上の歴史がありますが、この間の活動の変遷は電子デバイスを構成する半導体材料の変遷に符合します。MOS型集積回路が市場に投入された1964年以降Siが主たる半導体となっていますが、ED研ではより高性能なデバイスを目指し常に時代を先取りする半導体材料を扱ってきました。Siよりも格段に優れたIII-V族化合物半導体であるGaAs系半導体、さらに高速なInP系半導体、そして2000年頃から大電力駆動能力に優れた窒化物半導体にシフトし現在に至っております。そして今まさに窒化物半導体の次を見据えた材料探索が始まっています。カルコゲナイド系2次元材料やダイヤモンドといった複数の新規材料が現れており、これまで以上に電子デバイスが多様化する兆しが見えます。
 このように時代と共にED研究の活動も推移してまいりました。しかし、電子デバイスの根幹となる材料物性やデバイス物理の基礎学理は変わることはありません。ED研では、新しい材料が導入されるたびに基礎から議論を始め、時間をかけて実デバイスまで育てる活動を続けてきました。新規材料模索のフェーズに入った今、これまでED研が築き上げてきた材料と実デバイスを結ぶ方法論を新しい世代に引き継ぎ、我が国の電子デバイス研究開発を支えるべく委員会活動を進めてゆきたいと考えております。引き続き本専門委員会の活動にご理解ご支援賜りますようお願い申し上げます。  

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